片付けられない障害の正体|単なる怠けではない理由と汚部屋脱出の全貌
今注目を集めている 片付けられない障害の正体|単なる怠けではない理由と汚部屋脱出の全貌について、主要な情報を分かりやすく掲載しています。
一口に「片付けられない障害」といっても、その背景にある診断名によって脳内で起きている現象は大きく異なります。主たる要因となるのは、注意欠如・多動症(ADHD)、自閉スペクトラム症(ASD)、そして強迫症関連群に分類される「ためこみ症(Hoarding Disorder)」です。
まず、ADHD片付けられない理由の根底にあるのは「不注意と衝動性」です。郵便物を玄関に置いた瞬間に次の関心事へ意識が飛ぶ「注意の転導性」や、モノを視界から外すと存在そのものを忘れてしまう「客観的永続性の弱さ」が原因で、部屋中にモノがミルフィーユ状に堆積していきます。
一方、ASD整理整頓が苦手な原因は認知の「シングルフォーカス(局所偏重)」と「同一性保持のこだわり」にあります。ASDの当事者は、周囲から見れば無秩序な散乱に見えても「自分なりの配置秩序」が存在していたり、モノと空間の境界を把握する空間認知に困難を抱えていたりします。また、一度決めた収納ルールが崩れた途端に対応できなくなる極端な白黒思考も影響します。
これら発達障害とは異なり、精神医学の診断基準DSM-5-TRやICD-11において独立した疾患として位置づけられているのが「ためこみ症」です。ためこみ症の診断基準では、「実際の価値とは無関係に、所有物を捨てる、または手放すことの持続的な困難」「所有物を残しておきたいという強い欲求と、捨てることに関連する激しい苦痛」「居住空間がモノで埋め尽くされ、本来の用途(寝る、食べる、風呂に入る等)が損なわれていること」が厳格に定義されています。