レモン1個分のビタミンCは20Mg?公的基準の真相と飲料表示の罠

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街中の自動販売機やドラッグストアで「レモン何個分」という謳い文句を見かけるたび、果汁が溢れる黄色い果実を想像する人が大半です。しかし、商品開発や広告表示の現場で使われている計算式は、一般の感覚とは大きくかけ離れています。

食品表示の根拠となっているのは、農林水産省が1987年に制定した「果実飲料等の表示に関する公正競争規約」および、一般社団法人全国清涼飲料連合会(旧・社団法人全国清涼飲料工業会)が運用する表示ガイドラインです。この取り決めにおいて、清涼飲料水のビタミンC表示基準は「レモン1個分=20mg」と明確に定められました。つまり、飲料にビタミンCが1,000mg配合されていれば、機械的に「レモン50個分」と換算して表示できる仕組みです。

なぜ「20mg」という極端に控えめな数値になったのか。その理由は、レモンの可食部全体ではなく「搾り取った果汁の重量」に焦点を当てた点にあります。文部科学省の「日本食品標準成分表」によると、レモン果汁100gあたりに含まれるビタミンCは約50mg。一般的な生食用レモン1個の重量はおよそ120g〜150gですが、家庭や飲食店で手搾りした際に得られる果汁量は全体の約30%、重さにしておよそ30g〜40g程度にとどまります。

この果汁量(約30〜40g)にビタミンC含有率を掛けると、算出される数値はおよそ15〜20mg。業界関係者が協議を重ねた結果、過大広告を防ぎ消費者の誤認を避けるための安全マージンとして、最小公倍数的な「20mg」が業界標準として固定化されたという経緯が存在します。

橋本 菜々子

橋本 菜々子

トレンドリサーチャー

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

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