タイヤ側面のえぐれ傷は危険?バーストの境界線と車検合否を徹底検証

タイヤ側面のえぐれ傷は危険?バーストの境界線と車検合否を徹底検証について重要なポイントを解説いたします。最新の情報をチェックしてください。

ネット上の掲示板やSNSでは、「縁石でガリッとやったけれど、接着剤で貼り付けて1年走っても何ともなかった」「タイヤ屋に行ったら『今すぐ全取っ替えしないと死ぬぞ』と脅されて高額な請求をされた」といった極端な言説が散見されます。こうした声の真偽を検証するため、大手カー用品店や整備工場で日々タイヤトラブルに向き合うベテラン整備士たちに現場のリアルを聞きました。

現場の整備士は次のように証言します。「ネット上で『接着剤で直した』と語る人は、単に運良く強度の限界を超えなかっただけの生存者バイアスに過ぎません。私たちがお客様に交換を強く促すのは、売り上げのためではなく、過去に『まだ大丈夫だろう』と自走して数時間後に高速道路上でバーストし、ホイールごと大破してレッカー搬送されてきた悲惨な現場を嫌というほど見ているからです」。

また、縁石タイヤ傷走行可否の真相において、見落とされがちなのが「駆動方式による制約」です。前輪駆動(FF)や後輪駆動(FR)の2WD車であれば、傷ついたタイヤ1本のみ、あるいは左右バランスを考慮して同軸2本の交換で済むケースが大半です。しかし、近年の四輪駆動(AWD / 4WD)車の場合、1本だけを新品に交換すると、残りの摩耗した3本との間に外径差(タイヤの円周のズレ)が生じます。

外径差が生じたまま走行を続けると、車両の電子制御ディファレンシャルギアに過大な負荷がかかり続け、駆動系トラブルや異音、最悪の場合はセンターデフの破損を招く危険があります。そのため、ディーラーや専門工場では「まだ山が残っている他の3本も含めた全数(4本)交換」を推奨されるケースが多く、予想外の出費に頭を抱えるオーナーが後を絶ちません。

万が一、出先で深刻なえぐれ傷や空気圧の低下を確認した場合は、無理に走り続けずスペアタイヤ応急交換手順に従って安全な場所でテンパータイヤに履き替えるのが鉄則です。近年の車両に多い「パンク修理キット」は、サイドウォールの裂け傷には一切使用できません(注入した溶剤が傷口から噴き出して周囲を汚損するだけで、圧力を保持できないため)。車載のコンプレッサーだけを使って空気を入れる行為も、傷口をさらに押し広げて破裂を誘発するため厳禁です。スペアタイヤがない場合は、加入している任意保険の無料ロードサービスやJAFを手配し、最寄りのタイヤ取扱店まで積載車で搬送してもらうのが最も賢明なルートです。

田中 結衣

田中 結衣

デジタルマーケティングコンサルタント

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

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