背中や胸の治らないブツブツはカビ?マラセチア毛包炎の治し方と違い
背中や胸の治らないブツブツはカビ?マラセチア毛包炎の治し方と違いについて分かりやすく解説いたします。専門家の見解をご覧ください。
「病院に行く時間がないため市販薬で治したい」と考える人は多いですが、ドラッグストアで購入できる一般用医薬品の選択には極めて慎重な判断が求められます。
市販されている皮膚薬の多くは「ニキビ用(イブプロフェンピコノールなど)」や「湿疹・かゆみ用(ステロイド・抗ヒスタミン剤)」です。前述の通りニキビ薬は無効であり、ステロイド外用薬は皮膚の免疫局所防御を低下させてマラセチア菌をさらに増殖させるため絶対に使用してはなりません。また、水虫薬(テルビナフィン塩酸塩やブテナフィン塩酸塩配合剤)は真菌に作用するものの、毛包炎への適応はなく、体幹部の広範囲に塗布すると接触皮膚炎(かぶれ)を起こす危険性が極めて高くなります。
市販品で唯一、科学的アプローチとして推奨できるのは、抗真菌成分(ミコナゾール硝酸塩)を配合した薬用ソープによる洗浄ケアです。ただし、これは菌の増殖を抑える「予防・補助的措置」にとどまり、毛包の深部に巣食った菌を単独で完全死滅させるには力不足であるのが現実です。
根本治癒を目指すのであれば、皮膚科での処方薬治療が最短かつ確実な選択肢となります。
皮膚科診療における第1選択薬は、イミダゾール系抗真菌薬の外用です。特にケトコナゾール(先発医薬品名:ニゾラールローション・クリーム)やルリコナゾール(ルリコン)が標準的に処方されます。体幹部の毛穴に塗り広げやすいローションタイプが頻用され、1日1回の外用を継続することで、早ければ数日、通常は1〜2週間の塗布で劇的な病変の消失が確認されます。難治性や多発性の重症例に対しては、イトラコナゾールなどの抗真菌内服薬が短期間投与されるケースもあります。