なぜ更科そばは白い?藪・砂場との違いや名店・栄養まで徹底解剖
なぜ更科そばは白い?藪・砂場との違いや名店・栄養まで徹底解剖の基礎知識と応用に迫る! わかりやすい言葉で紐解きます。
更科そばの歴史を語る上で外せない最高峰の老舗が、東京・麻布十番に本店を構える「総本家更科堀井」です。創業は寛政元年(1789年)。信州出身の布屋太兵衛(堀井家)が、領主であった保科家の助言を受けて麻布一本松に「信州更科蕎麦処 萬屋太兵衛」を開いたのがすべての始まりとされています。宮家や諸大名に蕎麦を納め続けた格式高い名門です。
麻布十番の本店に足を運ぶと、平日・休日を問わず国内外の食通で行列が途切れることはありません。現場取材および利用者の実態調査で見えてくる評価のポイントは、主に以下の3点に集約されます。
第一に、名物である「さらしなそば」の圧倒的な透明感です。口に運んだ瞬間の清涼感あふれる滑らかさと、噛みしめた時にふわりと鼻へ抜ける穀物の甘みは唯一無二と評されます。第二に、更科粉の純白さを活かした「変わりそば」の美しさです。春は桜や木の芽、夏は紫蘇や柚子、秋は菊、冬は柚子や胡麻など、天然素材を御前粉に打ち込んだ鮮やかな彩りは、江戸の美意識そのものといえます。
一方、ネット上のレビューや蕎麦愛好家のコミュニティでは、「田舎蕎麦のようなガツンとした蕎麦の香りを期待していくと拍子抜けする」「つゆがしっかり甘口なので好みが分かれる」といった率直な声も確認できます。しかし、これらは品質の優劣ではなくスタイルの違いです。更科堀井をはじめとする老舗が追求しているのは、野性味ではなく「究極の洗練と喉越し」であり、その意図を理解する愛好家からは絶大な信頼を寄せられています。