首の激痛と高熱は亜急性甲状腺炎?バセドウ病との違いや完治期間を解説
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亜急性甲状腺炎は、首の前側(のどぼとけのすぐ下)にある甲状腺に炎症が生じる疾患です。発症初期には、風邪(上気道感染症)にかかってから1〜3週間ほど経過した後に、38度前後の急な発熱と甲状腺部分の強い自発痛・圧痛が現れるのが典型的な経過とされています。
日本内分泌学会および甲状腺専門医療機関(伊藤病院など)の臨床データによると、亜急性甲状腺炎の初期症状には極めて明瞭な特徴があります。炎症が起きている部位を指で軽く押すだけで飛び上がるような激痛が走り、その痛みは下顎(あご)や耳の奥、後頭部にまで放散します。また、炎症を起こした甲状腺の硬いしこり(結節)が、数日から数週間かけて「左葉から右葉へ」、あるいは「右葉から左葉へ」と移動する「クリーピング(這うような移動)」現象が確認されることも大きな特徴です。
患者が訴える亜急性甲状腺炎の首の痛みの原因は、ウイルス感染や免疫反応によって甲状腺濾胞(ろほう)細胞が急速に破壊され、被膜が急激に伸展することに起因します。原因ウイルスとしてはコクサッキーウイルス、アデノウイルス、ムンプスウイルス、EBウイルスなどが推測されているほか、遺伝的素因として白血球の型である「HLA-B35」や「HLA-B67」を持つ人が発症しやすいことが判明しています。
さらに臨床現場では、過労や睡眠不足、精神的なプレッシャーといったストレスとの関係性も指摘されています。強いストレス下では免疫バランスが乱れ、上気道炎をきっかけとした自己組織への炎症反応が増幅しやすくなります。「単なる喉風邪のこじれ」と放置すると、炎症の拡大とともに激しい消耗を強いられることになります。