江戸川乱歩の知られざる正体と狂気|明智小五郎・名作誕生の真相を解明
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乱歩が生み出した最大のヒーローが、日本の二大探偵の筆頭格である明智小五郎です。初登場作『D坂の殺人事件』における明智は、タバコ屋の2階に下宿し、ボサボサ頭に絣の着物をまとった風変わりな貧乏書生に過ぎませんでした。しかし作品を重ねるごとに洗練され、やがて洋装に身を包んだダンディな紳士探偵、果ては変装の達人として警察をも動かすスーパーヒーローへと劇的な変貌を遂げていきます。
そして昭和初期、子ども向けに創刊された『少年倶楽部』にて、日本中を熱狂させた怪人二十面相と少年探偵団の伝説が幕を開けます。二十面相はあらゆる姿形に変装し、予告状を出して国宝級の美術品を盗み出す希代の知能犯。しかし、「決して人を傷つけず、命を奪わない」という強固な美学を貫く特異な犯罪者でした。
これに対峙したのが、明智の愛弟子である小林少年率いる「少年探偵団」です。七つ道具を駆使して悪の企みを阻止する子どもたちの冒険譚は、戦前戦後の日本全国の少年少女たちを夢中にさせました。大人向けの陰惨な猟奇犯罪から少年向けの冒険活劇へ――読者層のニーズを鋭敏に嗅ぎ分け、エンターテインメントの頂点へと昇華させた乱歩のプロデュース能力の高さがここに証明されています。