波野好江の現在と中村屋を支え抜いた半生|梨園の妻の覚悟と絆

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十八代目勘三郎との結婚生活は、まさに「台風の目の中にいるような毎日」であったと、自著『中村屋の女房』をはじめとする手記の中で振り返られています。夫は新しい挑戦を好み、ニューヨークや浅草での「平成中村座」の旗揚げ、コクーン歌舞伎など、旧来の歌舞伎の枠組を壊す大プロジェクトを次々と立ち上げました。

周囲からの反発や巨額の興行リスクが伴う中、好江さんは常に夫の最大の味方であり続けました。勘三郎が深夜に突然弟子や舞台関係者を何十人も自宅に連れて帰ってきた際にも、嫌な顔一つせず手料理を振る舞い、酒宴を支えたという逸話は歌舞伎界で伝説となっています。

2012年12月、勘三郎が57歳という若さで食道がんおよび急性呼吸促迫症候群(ARDS)により世を去った際、好江さんが見せた気丈な振る舞いは多くの人々の胸を打ちました。密葬から本葬に至るまで、取り乱すことなく弔問客に対応し、涙をこらえて息子たちを前に立たせる姿は、まさに「中村屋の女房」としての誇りそのものでした。

松本 悠斗

松本 悠斗

サステナビリティ研究家

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。

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