上戸彩『流れ星』で見せた迫真の演技力と竹野内豊との結末・現在の姿
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フジテレビの月9枠といえば、華やかなトレンディドラマや王道ラブストーリーの代名詞として知られていました。しかし、2010年10月にスタートした月9ドラマ『流れ星』(全10話)は、そうした華美な路線とは一線を画し、静謐で叙情的なトーンを一貫して保ち続けた異色作です。
物語の起点となるのは、新江ノ島水族館に勤める平凡で心優しい飼育員・岡田健吾(竹野内豊)が直面した過酷な運命です。健吾の妹・マリア(北乃きい)は難病の肝臓疾患を患い、余命宣告を受けていました。完治のためには親族からの肝移植が不可欠であるものの、ドナーが見つからず絶望の淵に立たされた健吾は、ある夜、人生に絶望して投身自殺を図ろうとしていた槙原梨沙(上戸彩)と偶然出会います。
梨沙は実兄・修一(稲垣吾郎)が作った莫大な借金を背負わされ、風俗店「イエスタディ」で働かざるを得ない過酷な環境に追い詰められていました。生きる希望を失っていた梨沙に対し、健吾は「結婚してドナーになってくれたら、借金を全額肩代わりする」という常軌を逸した取引を持ちかけます。
「ドナー提供のための偽装結婚」という法や倫理の境界線上にある契約から始まった二人の関係は、次第に嘘や損得を超え、互いの孤独を癒やすかけがえのない愛情へと変化していきます。淡々とした日常の会話や視線の交錯を通して、人間の弱さと尊さを浮き彫りにした脚本の完成度は、2020年代以降のテレビドラマ界でも高く再評価されています。