「たられば」はなぜ禁句なのか?心理と語源から紐解く後悔の克服法
「たられば」はなぜ禁句なのか?心理と語源から紐解く後悔の克服法について詳しく解説いたします。最新の情報をお届けします。
ここで見落としてはならない重要な論点があります。それは、「たられば(仮定思考)そのものを完全に悪と断じる風潮の危うさ」です。
過去に対する「たられば」は不毛ですが、未来の不確実性に対する「たられば」は、高度な戦略的思考そのものだからです。米国の認知心理学者ゲイリー・クラインが提唱した「プレモータム分析(事前検死)」や、経営戦略における「シナリオプランニング」は、まさに「もし〜が起きたら(たられば)」を徹底的にシミュレーションする手法です。
「もし主要取引先が倒産したらどうするか」「もし基幹サーバーがダウンすればどのような損害が出るか」――こうした仮定の危機管理を怠り、「たらればを言うな」と思考停止に陥った組織は、予期せぬブラックスワン(予測不能な事象)に直面した瞬間に壊滅的な打撃を受けます。
つまり、問題の本質は「仮定を置くこと」ではなく、「仮定のベクトルが過去の免責に向いているか、未来の防衛と挑戦に向いているか」という方向性の違いにあるのです。