元Nhkアナ室長・山根基世の現在 名ナレーションと語りの真価
元Nhkアナ室長・山根基世の現在 名ナレーションと語りの真価の基本情報から最新動向までを徹底的にカバーしました。
日本放送協会の女性アナウンス室長という重責を担った経験は、彼女の言葉論にさらなる深みをもたらした。アナウンス技術とは、滑舌よく流暢に喋ることだけではない。むしろ、話し手の自意識をどこまで消し去り、対象と聞き手の間に透明な架け橋を架けられるかにある。
「感情を込めて読むのではない。言葉そのものが持っている感情を、邪魔せずに手渡すのだ」。山根が後進に伝えてきたこの哲学は、表現者としての徹底した引き算の美学に基づいている。息を吸う間、語尾の消え際、言葉と言葉のあいだに漂う沈黙。計算し尽くされた技術でありながら、そこに作為を感じさせない自然さこそ、プロフェッショナルたる所以だ。