島田裕巳が暴く日本人の本音「葬式不要」の先にある宗教のタブー
島田裕巳が暴く日本人の本音「葬式不要」の先にある宗教のタブーの見逃せないポイントを一挙に解説しました。
2010年、出版界に投じられた一冊の新書が日本社会に巨大な地殻変動を引き起こす。『葬式は、要らない』と題されたその著作は、数十万部を超える大ベストセラーとなり、冠婚葬祭の常識を根底から覆した。
何百万円もの費用を投じ、見栄と世間体のために執り行われる大規模な告別式。読経料や戒名料という名目で飛び交う不透明な金銭。多くの国民が心の中で抱きながらも口に出せなかった違和感を、明快な論理で白日の下に晒した功績は計り知れない。
この一撃によって、葬祭業は劇的な構造転換を余儀なくされた。旧来の高価格プランに依存していたビジネスモデルは崩壊し、家族葬や一日葬、火葬のみを行う直葬、さらには自然散骨や樹木葬といった簡素な選択肢が瞬く間に市民権を獲得する。一冊の書籍が産業の構造と国民の倫理観を同時に塗り替えた、極めて稀有な実例となった。