なぜ亀の寿命は桁違いなのか?200年生きる謎と最新の長寿飼育法

なぜ亀の寿命は桁違いなのか?200年生きる謎と最新の長寿飼育法とはどのようなものなのか? 専門的な分析を丁寧に紐解いて紹介します。

南大西洋に浮かぶ英領セントヘレナ島には、現存する世界最高齢の陸生動物として知られるセーシェルセマルゾウガメのジョナサン(カメ)が暮らしている。推定生年月日は1832年。ナポレオンが没した直後の時代に生まれ、産業革命、二度の世界大戦、人類の月面着陸、そしてインターネットの誕生までをその目で見てきた計算になる。

進化論で名高いチャールズ・ダーウィンがビーグル号でガラパゴス諸島から持ち帰ったとされるガラパゴスゾウガメの「ハリエット」も、オーストラリアの動物園で約175歳まで生きた。なぜ彼らはこれほど長く肉体を維持できるのか。

近年の爬虫両生類学が導き出した答えは、「無視できるほどの老化(Negligible Senescence)」という特異な生理機能だ。多くの哺乳類は年齢とともに細胞分裂の限界を迎え、DNAの損傷修復機能が衰えていく。しかしゾウガメなどの長寿種は、細胞死を誘導してがん化を防ぐアポトーシス機構やDNA修復能力が極めて高いレベルで維持されている。変温動物特有の極めて緩慢な代謝スピードも相まって、彼らの細胞は時間による劣化をほとんど受けないまま時を刻み続けるのだ。

加藤 愛美

加藤 愛美

エンタメ専門ジャーナリスト

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。

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