柄本明と妻・角替和枝の真実|最期の看取りと名門柄本家の現在
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柄本家を語る上で欠かせないのが、角替和枝さんの痛快かつ規格外な人柄を示す数々のエピソードです。その最たるものが、芸能界屈指の「生粋のゲーマー」という素顔でした。
『ドラゴンクエスト』『ゼルダの伝説』『スーパーマリオ』シリーズなどをこよなく愛し、舞台の本番前や家事の合間を縫っては徹夜でゲームに没頭することもしばしばでした。息子である柄本佑や時生が幼い頃、学校に行くのを渋ったり悩みを抱えたりしていると、角替さんは真顔でこう言い放ったといいます。
「くよくよ悩む暇があるなら、ドラクエのレベルを上げなさい。レベルさえ上げれば大抵の敵は倒せるんだから」
この一見破天荒な教えの根底には、「現実の些細な問題に囚われて自分をすり減らすな、力を蓄えていれば必ず道は開ける」という独自の人生哲学がありました。役者として壁にぶつかった息子たちに対しても、演技指導のような野暮な口出しは一切せず、「飯食って寝て、芝居が嫌なら辞めちまいな」とカラッと笑い飛ばす器の大きさを持っていたのです。
また、夫婦の間には「下北沢の喫茶店で毎朝一緒にコーヒーを飲む」という長年のルーティンがありました。言葉を交わさずとも同じ空間に身を置き、新聞をめくりながら漂う空気を共有する――そんな静かで強固な絆が、40年近くにわたり柄本家の屋根を支えていました。