もののけ姫』石田ゆり子はなぜサンとカヤの一人二役?宮崎駿が明かした真相
もののけ姫』石田ゆり子はなぜサンとカヤの一人二役?宮崎駿が明かした真相について知っておくべき 注意点を厳選して解説いたします。
映画『もののけ姫』のエンドロールを見返すと、石田ゆり子さんの名前の横には「サン/カヤ」と二つの役名が明確にクレジットされています。公開当時、劇場でリアルタイムに鑑賞した観客の多くが気づかないほど、二つの役柄は見事な声のグラデーションによって演じ分けられていました。
物語の冒頭、タタリ神の襲撃から村の少女たちを守ろうとするエミシの乙女・カヤは、アシタカを「兄様」と呼びつつも、部族の掟を超えて生涯の愛を誓う許嫁として描かれます。旅立つアシタカへ命の証である「黒曜石(玉)の小刀」を託す場面では、気品にあふれた慈愛に満ちた声色が観客の胸を打ちます。
一方、物語の主軸となるサンは、人間に捨てられ山犬の神・モロの君に育てられた「もののけ姫」です。人間を憎悪し、顔に戦化粧を施して森を侵すタタラ場へ単身斬り込む凶暴性と、アシタカの前で見せる傷つきやすい少女の揺らぎを併せ持ちます。石田さんは当時27歳〜28歳という若さでありながら、文明に生きる従順な女性性と、自然の荒々しさを背負う野生の咆哮という、対極に位置する二つの生命を見事に体現しました。