元少年A手記『絶歌』出版の波紋と未公開の真相:遺族が問う倫理

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あの日、全国の書店員やメディア関係者は言葉を失った。事前のプロモーションも予告も一切なく、初版10万部という強気の部数で店頭に並べられた『絶歌』。版元となった太田出版の当時の編集方針は「重大事件を起こした当事者の内面を記録として後世に残すことの公益性」を前面に押し出していたが、その裏で最も基本的な筋道が踏みにじられていた。

土師淳くんの遺族をはじめとする被害者家族には、本が配本される直前まで何の連絡も届いていなかった。遺族側が激しい怒りとともに抗議声明を出し、出版差し止めと回収を求めたのは当然の帰結である。なぜ事前に知らせなかったのか――版元側は「事前に伝えれば出版自体が阻止される可能性があった」旨の説明を繰り返したが、それは被害者感情を二の次にした出版業界の都合に過ぎないという厳しい糾弾を浴びることとなった。

佐々木 一輝

佐々木 一輝

ビジネス戦略アナリスト

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。

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