「義姉」の読み方で恥をかく?ぎし・あねの正しい使い分けとマナー

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なぜ一つの表記にふたつの読み方が並立するのか。その根底には、日本語特有の音訓併用と「熟字訓」の仕組みがある。

日本を代表する国語辞典『広辞苑』を開くと、「義姉」の項目には「ぎし」が本見出しとして記載されている。同時に「あね」という読みについても、熟字訓(二字以上の漢字の組み合わせに、日本語の和語をあてた読み方)として補足説明がなされている。つまり、学術的・辞書的な標準解はあくまで「ぎし」なのだ。

ここに「常用漢字」の基準が絡んでくる。内閣が告示する常用漢字表において、「義」という漢字に「ぎ」の音は存在するが、「あね」という訓読みや特殊な読み方は指定されていない。そのため、公用文や新聞報道では「義姉(ぎし)」と読むのが厳密なルールの運用となる。

国語学の大家・金田一京助をはじめとする歴代の言語学者たちも、明治以降の近代国語辞典の編纂において、漢語としての正確性と民間の慣用読みとのギャップに苦心してきた。書き言葉としての「義姉」に、話し言葉としての「あね」を重ね合わせる文化は、日本人が長年かけて育んできた言語的知恵とも言える。

中村 さくら

中村 さくら

マネー&キャリアエディター

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

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