フィンクの危機モデルを徹底解剖!4段階の心理プロセスと看護介入

今注目を集めている フィンクの危機モデルを徹底解剖!4段階の心理プロセスと看護介入について、多角的な視点を分かりやすく掲載しています。

理論の理解を現場の実践力へと昇華させるため、架空の臨床事例を用いて、実習記録におけるアセスメントと具体的な危機介入の看護計画の展開例を検証します。

【事例背景】
A氏(45歳・男性・会社員)。バイク事故により第10胸髄レベルの脊髄損傷を受傷し、両下肢完全麻痺となった。受傷後3週間が経過。主治医から「下肢の運動機能回復は極めて困難であり、車椅子生活になる」と明確な病状説明が行われた。看護師が訪室した際、A氏は「先生はああ言うけれど、ネットで見たら最新の再生医療で歩けるようになった人がいた。リハビリを死ぬ気で頑張れば、半年後にはまた営業で外回りできるはずだ」と興奮気味に語り、過度な自主トレーニングを行おうとする姿が見られる。

この状況におけるフィンクの危機モデルを用いた事例の看護過程において、アセスメント(看護記録のA欄)は以下のように論述されます。

【アセスメントの記述例】
「主治医からの告知内容を認知しているものの、『最新の再生医療で歩けるようになる』『半年後には外回りできる』と語り、非現実的な回復に固執している。これは身体機能喪失という受け入れがたい過酷な現実から自我の崩壊を防ぐため、無意識に否認と逃避の防衛機制を用いている状態であり、フィンクの危機モデルにおける『防御的退行期』にあると評価できる。
現段階で過度な現実直視を迫ることは、患者を耐え難い絶望へと追いやる危険性が高い。したがって、患者の語りを否定せずに傾聴しつつ、無理な自主訓練による二次的損傷を防止するための安全管理を最優先とする。患者が心の防衛を解き、次の『承認期』の抑うつや悲嘆に移行する兆候(ふとした瞬間の涙、無力感の漏らし)を見逃さず、いつでも感情を吐露できる信頼関係を構築していく支援が必要である」

このアセスメントに基づき立案される危機介入の看護計画(看護問題:不可逆的な身体機能喪失に伴う危機状態/防御的退行)の要点は次の通りです。

看護計画の具体的展開(OP/TP/EP):
【観察計画(O-P)】
1. 発言内容の変化(非現実的な回復への期待、現実への言及、絶望や自責の訴え)。
2. 睡眠状況、食欲、表情、活気の有無(防御が破綻した際の急激な抑うつの早期把握)。
3. 身体の過負荷状態(無茶な自主運動による皮膚トラブルやバイタルサインの変動)。

【ケア計画(T-P)】
1. 患者の語る希望や思いを遮らず、否定も迎合もせず「そう思っていらっしゃるんですね」と受容的に傾聴する。
2. 過度な自主訓練に対しては「足に負担がかかりすぎると、これからのリハビリに影響します」と身体的安全の観点から穏やかに制限を設ける。
3. 看護師側の訪室頻度を保ち、いつでもそばにいるという安心感を提供する。

【教育・指導計画(E-P)】
1. 無理に病気を受け入れようと焦る必要はなく、今の気持ちのままでよいことを伝える。
2. つらい気持ちや身体の違和感があれば、いつでも看護師に話してよいことを説明する。

橋本 菜々子

橋本 菜々子

トレンドリサーチャー

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

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