蚊の嫌いな音は本当に効く?超音波アプリの真相と科学的根拠を検証
蚊の嫌いな音は本当に効く?超音波アプリの真相と科学的根拠を検証について徹底解説いたします。詳細な分析をご覧ください。
「音で蚊が防げる」と語られる際、必ず持ち出されるのが生物学的な2つの仮説です。1つ目は「吸血するメス蚊はすでに交尾済みであり、オス蚊の羽音を嫌って逃げる」という説、2つ目は「天敵であるトンボの羽音やコウモリの発する超音波を恐れて退避する」という説です。
蚊の羽音の周波数は種類によって異なり、一般的なアカイエカやヒトスジシマカではおよそ300Hzから600Hz前後(オス蚊はメス蚊よりもやや高く600Hz〜800Hz付近)とされています。一方、人間が聞き取りにくいとされるモスキート音は15,000Hz(15kHz)〜20,000Hz(20kHz)、さらにそれを超える帯域が超音波と呼ばれます。
確かに実験室の密閉空間において、特定の強烈な音波を浴びせられた蚊が一瞬不規則な動きを見せる事例は報告されています。しかし、人間から放出される体温・二酸化炭素・皮膚の常在菌由来のニオイ物質(乳酸や皮脂成分)という強力な誘引シグナルが存在する野外環境では、音に対するわずかな忌避反応など即座にかき消されてしまいます。産卵のためにタンパク質を必要とするメス蚊の吸血意欲は、人工的なノイズ程度で止められるものではありません。