なぜ高齢者の肺炎は急変する?発熱なしに潜む危険な前兆を徹底解説
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臨床の現場で呼吸器内科専門医が重視するのは、加齢によって免疫系全体が徐々に減退する生理的変化である。感染症学の視点からも、シニア層では白血球の機能低下や炎症性サイトカインの産生能力が抑制されるため、病原体が侵入しても典型的な高熱や白血球急増といった生体防御反応が表に出にくいことが分かっている。発熱がないから軽症だと判断するのは、極めて危険な誤解だ。
さらに高齢者の肺炎で大半を占めるのが誤嚥性肺炎である。唾液や食べ物、胃液などが誤って気道に入り込み、口腔内の細菌が肺胞に到達して炎症を引き起こす。嚥下反射や咳嗽反射が鈍化している高齢者は、自覚症状のないまま微量の誤嚥を夜間に繰り返し、ある日突然、一気に病状を悪化させる。喉の筋力低下や脳梗塞の後遺症、睡眠薬の服用などもこのリスクを倍増させる要因となる。