損益分岐点の計算方法と実践術|赤字を絶対に回避する管理会計の極意
損益分岐点の計算方法と実践術|赤字を絶対に回避する管理会計の極意を正しく行うための具体的なステップをご紹介します。
損益分岐点の計算で多くの担当者がつまずく最大の関門が、コストを固定費と変動費に分ける「固変分解」の作業です。理論上は明確に分かれているように見えても、実際の会計データには両方の性質を帯びた費用が混在しています。
基本概念として、変動費は売上高や生産・販売数量の増減に比例して増減する費用であり、固定費は売上の増減に関わらず毎月一定額発生する費用を指します。
【一般的な費用の分類基準】
- 変動費の代表例:商品の仕入高、原材料費、外注加工費、販売手数料、運送費・荷造発送費、決済代行手数料(売上歩合分)など
- 固定費の代表例:事務所・店舗の家賃、正社員の給与・賞与・福利厚生費、減価償却費、リース料、クラウドSaaS月額固定費、広告宣伝費(月額契約分)、通信費基本料など
実務上、頭を悩ませるのが「水道光熱費」「パート・アルバイト人件費」「販促費」などの準変動費(または準固定費)です。たとえば、飲食店の水道光熱費には「契約基本料金(固定費)」と「客数増に応じた使用料金(変動費)」が混ざっています。
実務現場では、以下の3つのアプローチで仕分けを行います。
- 勘定科目法:あらかじめ各科目を固定費か変動費かに定性的に割り振る最も手軽な手法。中小企業の日常管理に適している。
- 高低点法:過去の過去最高売上月と最低売上月の2時点の費用差・売上差から、変動費率と固定費を機械的に逆算する手法。
- 回帰分析法(最小二乗法):過去12〜24か月分の実績データを散布図にプロットし、統計的な回帰直線から厳密に固定費と変動費を分離する手法。
中小企業や個人事業の現場であれば、まずは勘定科目法を用い、実態に合わせて「パート人件費の7割は変動費、3割は基本シフト分の固定費」といった社内基準を策定して運用するのが最も現実的です。