大阪市立東洋陶磁美術館の見どころは?国宝・油滴天目の鑑賞法と混雑対策を徹底解説
大阪市立東洋陶磁美術館の見どころは?国宝・油滴天目の鑑賞法と混雑対策を徹底解説の真相や最新動向に迫る! わかりやすい言葉でご紹介しています。
大阪市立東洋陶磁美術館を訪れる上で絶対に外せないのが、同館が誇る2件の国宝です。世界中に数ある陶磁器の中で、なぜこれほどまでに高い評価を受け続けているのか、その鑑賞ポイントを紐解きます。
筆頭に挙げられるのが、南宋時代(12〜13世紀)に中国の建窯で作られた国宝「油滴天目茶碗」です。黒い釉薬の表面に、油の滴が水面に浮かんだかのような銀色の斑紋が無数に現れています。照明の光を受けると、見る角度によって斑紋が玉虫色や青みがかった虹色の輝きを放ち、まるで小宇宙を覗き込んでいるかのような錯覚を覚えます。かつて豊臣秀次が所持し、後に西本願寺や三井家に伝来したという来歴の重みも鑑賞の深みを増してくれます。
もう一つの至宝が、元時代(14世紀)の龍泉窯による国宝「飛青磁花生(とびせいじはないけ)」です。端正で均整の取れた砧形(きぬたがた)の花生に、澄み渡るような青磁の釉薬が施され、意図的に配された鉄斑(てっぱん=褐色の斑点)がリズミカルなアクセントを生み出しています。計算し尽くされた静と動のコントラストは、中国陶磁の美意識の頂点を示す傑作です。
これらの至宝を中核とする「安宅コレクション」は、かつて大手商社・安宅産業が社運を賭けて収集した世界最高峰の東洋陶磁コレクションです。1970年代の同社経営破綻時、文化財の散逸を危惧した住友グループ21社が大阪市に一括寄贈したことで、現在の美術館が誕生しました。単なる美術品展示にとどまらず、日本の近現代経済史と文化財保護の熱意が結実した場所である点も、深い感銘を与えます。