奇跡の「接吻」来日決定!黄金の巨匠が誘う世紀末ウィーンの深淵
奇跡の「接吻」来日決定!黄金の巨匠が誘う世紀末ウィーンの深淵の概要と注目ポイントを一挙に解説しました。
本展が際立っているのは、クリムト単体の神格化に終わらず、彼が率いたウィーン分離派という強烈な前衛集団のダイナミズムを立体的に浮かび上がらせる点にある。過去の様式美に縛られた保守的な美術家組合に反旗を翻し、「時代にはその芸術を、芸術にはその自由を」というスローガンのもとで結成された分離派の足跡は、美術史の大きな転換点となった。
とりわけ見逃せないのが、クリムトに見出され、独自の歪んだ身体表現と鋭利な線描で自己の内面を削り出したエゴン・シーレの作品群との対比である。甘美な装飾に包まれた師の官能美と、皮膚の下にある剥き出しの苦悩を描き出した弟子の実存的叫び。二人の巨星が交差した空間からは、激動の時代を生きた芸術家たちの息遣いが確かに立ち上ってくる。