なぜ線路に「桃太郎電車」が?謎の正体や愛称の由来・吉備線との違いを徹底解説
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もうひとつの本場である岡山エリアに目を向けると、旅客輸送の現場でも独自の変革が進んでいる。岡山駅桃太郎列車として知られるJR吉備線は、桃太郎伝説の原点とされる鬼ノ城や吉備津神社へのアクセスルートとして国内外の観光客を運び続けている。
この路線を語る上で欠かせないのが、長年議論が続く吉備線LRT化計画の現在である。JR西日本、岡山市、総社市の3者は2018年、吉備線を次世代型路面電車(LRT)へと転換し、運行本数を大幅に増加させて駅を新設する基本合意を締結した。地方都市における公共交通ネットワーク再構築の先駆的事例として全国から熱い視線が注がれていた。
その後、コロナ禍による乗客減少や資材高騰の影響を受け、2021年に協議が一時中断したものの、2020年代半ばから実務レベルでの検討が再開された。定時性の向上、超低床車両による完全バリアフリー化、そして中心市街地との直通運行など、過度なマイカー依存からの脱却と持続可能な移動インフラ構築を目指す動きは依然として死んでいない。単なる昔話の観光路線から、地域モビリティの未来を担う実験場へ。「桃太郎線」という親しみやすい記号は、市民の合意形成を支える精神的支柱としても機能している。