微笑みの国の国王ラーマ10世の素顔!巨額資産の真相とタイ王室の現在

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日本で親しまれる「微笑みの国」というフレーズは、もともとタイの旧国名「シャム(Siam)」に由来する異名や、仏教精神に根ざした「マイペンライ(気にしない、大丈夫)」の精神、そして1980年代以降のタイ政府観光庁による巧みなブランディングが複合して定着した呼称です。この穏やかなイメージを持つ国の頂点に立つのが、タイ国王ラーマ10世ことマハ・ワチラロンコン国王です。

国王の歩んできた軌跡を振り返ると、極めて異色のミリタリーキャリアが際立ちます。1952年にプミポン前国王とシリキット王妃の長男(第2子)として誕生した国王は、英国やオーストラリアのキングス・スクールで学び、オーストラリア陸軍士官学校(ダンルーン)を卒業しました。単なる名誉職としての軍籍ではなく、みずから戦闘機F-5やF-16、ボーイング737旅客機の操縦桿を握り、かつてタイ国内で繰り広げられた共産主義勢力とのゲリラ戦では、最前線の作戦部隊を率いて戦闘に参加した筋金入りのパイロットでもあります。

しかし、内外の評価を語る上で避けて通れないのが、父であるプミポン前国王(ラーマ9世)とのパーソナリティの断絶です。2016年に88歳で崩御したプミポン前国王は、在位70年にわたり白衣やカメラを手に国内の貧しい農村を隈なく巡幸し、数千に及ぶ王室開発プロジェクトを主導しました。度重なる軍事クーデターの際も調停役として流血を止め、「国民の父」「生き仏」として絶大なカリスマと道徳的権威を誇ったのです。

対照的に、2019年に正式な戴冠式を執り行ったワチラロンコン国王は、公の場で見せる寡黙な表情や規律を重んじる軍人肌の気質を持ち、父王のような大衆的アプローチとは一線を画しています。国民との精神的な一体感を武器とした前国王に対し、現国王は王室資産の直接掌握や軍・警察組織の権限再編など、より強権的かつ直接的な統治スタイルを鮮明にしています。

中村 さくら

中村 さくら

マネー&キャリアエディター

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

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