チェーンストークス呼吸とは?原因や看取りの兆候・見分け方を徹底解説
チェーンストークス呼吸とは?原因や看取りの兆候・見分け方を徹底解説の重要なポイントについて、最新情報を詳しくお届けします。
チェーンストークス呼吸(Cheyne-Stokes respiration)は、アイルランドの医師ジョン・チェーン(John Cheyne)とウィリアム・ストークス(William Stokes)によって19世紀に報告された周期性の異常呼吸です。特徴的なのは、呼吸のリズムが規則的な波のように変動する点にあります。
具体的には、以下のようなサイクルを45秒から90秒程度の周期で絶え間なく繰り返します。
① まったく呼吸をしない「無呼吸状態」(約10〜30秒間継続)
② 非常に浅い呼吸から始まり、徐々に呼吸が深く速くなる「漸増期(クレッシェンド)」
③ 呼吸の大きさがピーク(過換気状態)に達する
④ ピークを過ぎると、徐々に呼吸が浅く小さくなる「漸減期(デクレッシェンド)」
⑤ 再び完全な無呼吸状態へと移行する
この特異な波形が生じる根本的なメカニズムは、延髄にある呼吸中枢と血液中の「動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)」のフィードバック調節のズレにあります。通常、人間の身体は血液中の二酸化炭素濃度の上昇を感知して呼吸を促し、濃度が下がると呼吸を抑制して一定のバランスを保っています。
しかし、心臓のポンプ機能低下によって全身の血流が極度に遅延したり、脳幹の呼吸中枢が障害を受けたりすると、肺でガス交換された血液が脳の化学受容器に届くまでに著しいタイムラグが生じます。血中二酸化炭素が溜まっていると脳が遅れて認識したときには過度な呼吸(過換気)を引き起こし、逆に二酸化炭素濃度が下がりすぎると呼吸中枢が活動を停止して無呼吸に陥るという「過剰な補正のループ」が完成してしまうのです。