カルテの「あざ」医療用語の謎|皮下出血・血腫・母斑の違いを解説
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身体を強くぶつけた際に生じるいわゆる「青あざ」や「打ち身」は、医学的には打撲傷(挫傷)に伴う皮下出血斑が正式名称に該当します。しかし、出血の広がりや組織の破壊度合いによって、医師は「紫斑」と「血腫」を明確に区別して記載します。
皮膚や粘膜の内部に出血が生じた状態の総称が「紫斑(しはん)」です。紫斑は病変の直径や形態によってさらに分類されます。
- 点状出血(Petechiae / ペテキア):直径1〜2mm程度の極めて小さな点状の出血。毛細血管の破綻や血小板の減少などで見られます。
- 紫斑(Purpura / プルプラ):直径3〜10mm程度の出血斑。血管炎や凝固障害などが関与することがあります。
- 斑状出血・皮下出血斑(Ecchymosis / エキモーシス):直径10mm(1cm)以上に及ぶ平坦な出血斑。一般的な打撲による青あざの多くがこれに分類されます。
一方で、紫斑と血腫の決定的な違いは「血液が溜まって塊(コブ状の隆起)を作っているかどうか」にあります。皮下や筋肉内で血管が太く破綻し、血液が急速に貯留して組織を押し広げ、腫瘤を形成した状態を「血腫」と呼びます。
日本の臨床現場では、血腫を指す医療用語としてドイツ語のHämatom(ヘマトーマ)や英語のHematomaがカルテ上で頻用されます。「皮下にヘマがある」「筋肉内ヘマトーマを形成」といった表現は、単なる平坦な色づきではなく、血液の貯留塊が存在することを意味しています。