特定准教授の正体とは?一般教員との決定的な格差と雇い止めの真相
特定准教授の正体とは?一般教員との決定的な格差と雇い止めの真相の背景について、専門知識を詳しくお届けします。
特定准教授の年収と給与は、一見すると日本の平均年収を上回る水準に設定されています。各国立大学法人の公開給与規程や公募要件によると、相場はおよそ年俸650万円〜950万円前後(月額換算で約54万〜79万円)です。高度な専門性を評価され、大型国家プロジェクトの主力を担うケースでは、稀に1,000万円を超える条件が提示される例も見られます。
しかし、この数字面だけを見て「高給取り」と断じるのは早計です。公募要項を精査すると、ほとんどの大学で以下のような過酷な条件が付随しています。
- 年俸制のため賞与(ボーナス)が別途支給されない:提示額面を12分割して毎月支給されるのみで、一般的な公務員教員のような夏冬の特別手当はありません。
- 退職手当(退職金)が一切支給されない:一般的な大学教員が生涯賃金として見込む1,500万〜2,500万円規模の退職金がゼロであるため、生涯獲得賃金ベースでは大幅に目減りします。
- 研究費の切れ目が契約の切れ目:配属されたプロジェクトの受託期間が3年であれば、3年後には給与の支払い元が消滅します。
当事者である40代の特定准教授は、労働組合の機関誌や手記のなかで次のように生の声を吐露しています。「名刺を渡せば親族や知人からは『大学の准教授になったのか』と祝福される。しかし実際は、3年後の研究室解散と同時に路頭に迷う非正規労働者です。毎晩、次の公募情報を探してJREC-IN(研究者公募サイト)を巡回する焦燥感は、精神を極限まで削り取ります」。肩書の重厚さと、身分の脆弱さのギャップが当事者を苦しめ続けています。