非常勤役員の社会保険は加入不要?名前だけ役員の落とし穴と判断基準

非常勤役員の社会保険は加入不要?名前だけ役員の落とし穴と判断基準の疑問点について、専門知識を詳しくお届けします。

実務現場で最もトラブルが発生しやすいのが、同族会社における配偶者や親族の「名ばかり役員」パターンです。税理士からの「配偶者に役員報酬を月20万円程度分散して支給すれば法人税と所得税の節税になる」というアドバイスを受け、勤務実態がないまま非常勤役員として報酬を支払う設計が典型例として見られます。

しかし、労務管理を担当する特定社会保険労務士の現場証言によると、「税務署対策としての役員報酬設定が、年金事務所の調査で裏目に出る事例が急増している」といいます。年金事務所は決算書の「役員報酬内訳書」や源泉徴収票のデータを把握できるため、出勤実態がないにもかかわらず毎月まとまった額が支払われている親族役員は格好の調査対象になります。

調査が入った際、会社側が「非常勤だから社会保険は不要」と主張しても、調査官から「月20万円の報酬対価となる業務実態の証拠(業務日報、関与した契約書、議事録)」の提出を求められ、一切の証拠を出せないケースがあります。その結果、「実質的な業務執行がある常勤相当」とみなされるか、最悪の場合は税務上も「役員報酬の損金算入否認(架空経費)」というダブルパンチのリスクを背負うことになります。

佐々木 一輝

佐々木 一輝

ビジネス戦略アナリスト

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。

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