平家物語「扇の的」現代語訳とあらすじ徹底解説!那須与一の重圧と真相

今注目を集めている 平家物語「扇の的」現代語訳とあらすじ徹底解説!那須与一の重圧と真相について、主要な情報を分かりやすく掲載しています。

古典文学としての『平家物語』の美しさが極限に達するのが、与一が目を閉じて神仏に祈りを捧げる場面です。視覚・聴覚を刺激する見事な修辞技法が凝縮されています。

那須与一の祈り(原文と現代語訳)

【原文】
「南無八幡大菩薩、我が国の神明、日光権現、宇都宮、那須の湯泉大明神、願はくは、あの扇の真ん中射させてたばせたまへ。これを射損ずるものならば、弓切り折り自害して、人に再び面を向かふべからず。いま一度本国へ迎へんとおぼしめさば、この矢はづさせたまふな。」

【現代語訳】
「南無八幡大菩薩、我が故郷(下野国)の神々、日光権現、宇都宮大明神、那須の湯泉大明神よ、どうかあの扇の真ん中を射させてください。もしこれを射損じるようなことがあれば、弓をへし折って自害し、二度と人に顔向けはいたしません。もう一度生きて故郷へ帰そうとお思いくださるならば、この矢を外させなさいますな。」

奇跡の瞬間と名文句の品詞分解・読解ポイント

祈りを終えて目を開くと、激しかった風がふっと収まり、扇が見事に射やすい位置で揺れ動きます。与一は十二束三伏(じゅうにつかみつぶせ=矢の長さ、約90cm)の大矢をつがえ、力いっぱい引き絞って放ちました。

【重要原文】
「小兵といふ条、十二束三伏、弓は強し、鏑は浦響くほどに長鳴りして、ひやうふつと射切る。」

【文法・品詞分解のポイント】

  • 小兵(こひょう)といふ条(じょう):「身体が小柄であるとはいえ」の意。「条」は「〜という点、〜という理由」。
  • ひやうふつと:鏑矢(かぶらや)が風を切り、扇の要を射切った瞬間の擬音語・擬態語。矢が飛ぶ音(ひょう)と扇が切れる鋭い音(ふっ)を融合させた臨場感あふれる表現。
  • 射切る(いきる):動詞(カ行四段活用・終止形)。扇そのものを射抜くだけでなく、扇の骨が束ねられている「要(かなめ)」を正確に切り落とした技術の高さを表す。

射切られた扇は、夕暮れの空高く舞い上がり、春風にひとひらふたひらと舞い散りながら、白波の上にひらりと落ちました。夕日の赤、白波の白、扇の紅と金が織りなす鮮烈な色彩対比は、日本の古典文学史上に輝く屈指の美を誇ります。

池田 達也

池田 達也

マネー&キャリアエディター

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。

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