関西風すき焼きの極意|割り下を使わず肉を先に焼く本場の黄金比
関西風すき焼きの極意|割り下を使わず肉を先に焼く本場の黄金比にまつわる興味深い視点を分かりやすく発信ます。
東西のすき焼きにおける最大の分岐点は、「割り下で具材を煮るか」それとも「鍋肌で肉を焼いてから調味するか」という調理アプローチの違いにあります。関東風が明治初期の「牛鍋(ぎゅうなべ)」をルーツとし、みりん・醤油・酒・出汁を合わせた割り下で均一に煮込むのに対し、関西風は農具の「鋤(すき)」の上で肉や魚を焼いた古来の「鋤焼き」の系譜を色濃く残しています。
関西風で割り下を使わない最大の理由は、牛肉の脂の甘みと赤身の旨味を高温で凝縮させ、砂糖のカラメル化と醤油の焦がし香を直接肉にまとわせるためです。最初に出汁や水分を入れてしまうと鍋の温度が下がり、肉が「茹でられた」状態になって肉汁が流出してしまいます。肉本来の力強い風味を味わうために、乾いた鍋で脂を敷き、直火の熱を肉へダイレクトに伝える職人的な合理性が根底にあります。