相撲の廻しに挟む「さがり」の正体|注連縄の由来と落ちた時のルール

今注目を集めている 相撲の廻しに挟む「さがり」の正体|注連縄の由来と落ちた時のルールについて、多角的な視点をご紹介しています。

相撲界は徹底した実力主義・階級社会であり、それは締め込みの素材だけでなく、さがり一本の質感にまで冷徹なまでに反映されています。十両以上の「関取」と、幕下以下の力士では身につけるさがりの仕様が根本から異なります。

比較項目関取(十両・幕内)の仕様幕下以下の仕様専門的な意義・背景使用素材上質な正絹(締め込みと同系色)木綿または麻の簡素な平紐待遇差を明確にし、関取昇進への執念を煽る構造硬さと加工布海苔(ふのり)で板のように硬直化糊付けなし(柔らかく垂れ下がる)ふのりで固めることで指の巻き込みを防ぐ安全設計紐の本数17本・19本・21本(奇数厳守)規定なし(概ね11〜15本前後)陰陽思想に基づき「割り切れない」吉数を重用製作・調達方法呼出しや専門職人による手作り部屋に代々伝わる共用品や支給品新十両昇進時に初めて自分専用のさがりを新調

関取と幕下のさがりの違いは、見た瞬間に分かります。関取のさがりは一本一本が板のようにピンと伸びており、歩くたびにカチカチと規則正しく揺れます。これに対し、幕下以下のさがりは紐がふにゃふにゃと頼りなく波打っています。

相撲の廻しの下がりを作る方法には職人技が求められます。絹糸を均等に撚り合わせ、ふのりで固める理由は、海藻由来の「布海苔」が適度な硬さと美しい光沢を生み出し、汗に濡れても型崩れしにくいためです。熱湯で煮溶かした布海苔を刷毛で塗り込み、木型に張って天日干しにする工程を何度も繰り返して完成させます。

また、廻しの下がりの本数の理由には日本古来の吉凶思想が反映されています。奇数は「陽」の数字であり、2で割り切れないことから「割れない=土がつかない(敗れない)」という勝負師の奇数の縁起担ぎが込められています。力士の体格に合わせて17本、19本、大柄な力士であれば21本と奇数で仕立てられるのが鉄則です。

田中 結衣

田中 結衣

デジタルマーケティングコンサルタント

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

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