米粉ホットケーキが固くなる原因は?冷めても極上ふわふわに焼くプロの技
米粉ホットケーキが固くなる原因は?冷めても極上ふわふわに焼くプロの技についての真相を徹底解説します。
米粉を使ってホットケーキを作った際、誰もが直面する二大トラブルが「石のように固くなること」と「ペタンコで膨らまないこと」です。なぜ、小麦粉と同じレシピや市販のホットケーキミックスと同じ要領で作ると失敗してしまうのでしょうか。その答えは、穀物としての構造的差異とデンプンの化学的性質に隠されています。
小麦粉には「グリアジン」と「グルテニン」という2種類のタンパク質が含まれており、水分を加えてこねることで網目状のグルテンネットワークを形成します。この強固な網目構造が、ベーキングパウダーから発生する炭酸ガス(二酸化炭素)を風船のようにしっかり包み込んで閉じ込め、生地をふっくらと持ち上げるのです。しかし、お米100%の米粉にはグルテンを生成するタンパク質が一切存在しません。発生したガスを捕まえておく網がないため、気泡は生地を突き破って空気中へ逃げてしまい、結果として膨らまないまま重たい状態で熱が通ってしまいます。
さらに深刻なのが「固くなる理由」です。加熱された米のデンプンは水分を取り込んで糊化(アルファ化)し、一度は柔らかくなります。ところが、米粉は小麦粉に比べて乾燥に弱く、加熱中および加熱後に水分が外へ急速に蒸発します。水分を失ったデンプンは即座に再結晶化してデンプンの老化(ベータ化)を起こし、冷えたご飯がカチカチになるのと全く同じ現象がホットケーキの内部で生じるのです。
加えて見落とせない要因が、市販されている米粉の「粒子の細かさ(粒度)」と「吸水率の違い」です。大手製粉メーカーの技術資料によると、一般的な料理用の上新粉や粗挽きの米粉は吸水率が高く、同じ分量の水分を加えても生地の水分を異常に吸い上げて粘土状に引き締まってしまいます。製菓用リ・ファリーヌのような微細粉末の米粉を選んでいない場合、計量通りに作っても生地の水分バランスが崩れ、焼き上がりが煎餅のように硬変してしまうのです。