痴漢冤罪で名誉毀損は成立する?逆告訴の条件と慰謝料相場を徹底解説
痴漢冤罪で名誉毀損は成立する?逆告訴の条件と慰謝料相場を徹底解説に関する主要な事実を徹底的にまとめました。専門的な情報をチェックしましょう。
突然の痴漢冤罪に巻き込まれた際、被害者が真っ先に考えるのが「相手を名誉毀損や虚偽の訴えで訴え返したい(逆告訴したい)」という法的手段です。しかし、刑事と民事ではそのハードルとアプローチが大きく異なります。
刑法第230条が定める名誉毀損罪は、公然と事実を摘示し、人の社会的評価を低下させた場合に成立します。駅のホームや車内など不特定多数の人間がいる空間で大声で犯人扱いされたり、後述するネット上への晒し行為が行われた場合、客観的には社会的評価を著しく毀損したと評価されます。ただし、告発者側が「本当に触られたと勘違いしていた(誤認)」場合、故意(犯罪の認識)がないと判断され、刑事上の名誉毀損罪として警察が立件することは極めて稀です。
さらにハードルが高いのが刑法第172条の虚偽告訴罪です。相手を刑事処分や懲戒処分に陥れる目的で虚偽の申告をした場合に適用されますが、虚偽告訴罪の痴漢における成立要件として最も決定的なのは、「申告内容が客観的真実に反し、かつ申告者が虚偽であることを認識していたこと」の立証です。
「触られていないのに、意図的に陥れる目的で嘘をついた」という確固たる証拠(例:共謀を示すメッセージ履歴や、金品を脅し取る目的の会話録音など)がない限り、捜査機関は「被害者の勘違いや過失」として処理し、痴漢冤罪の逆告訴の条件を満たすのは極めて困難なのが実情です。そのため、刑事罰を科す逆告訴よりも、民事上の不法行為(民法709条)に基づく損害賠償請求を選択するのが実務上の王道となります。