凌遅刑とは何か?生きたまま肉を削ぐ中国史上最悪の処刑と廃止の真相
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凌遅刑の「凌遅(りょうち)」という言葉は、もともと「陵遅」と表記され、山の緩やかな傾斜をなだらかに下っていく様子を意味していました。そこから転じて、「急激に命を奪うのではなく、なだらかな坂を下るように時間をかけて死に至らしめる」という意味を持つ処刑の呼称となりました。
中国の法制史において凌遅刑が法典に公式採用されたのは五代十国時代から宋代にかけてであり、以後の元、明、清に至るまで国家への反逆者に対する最高刑として君臨し続けました。
その具体的な執行手順は極めて冷酷かつ精密に体系化されていました。死刑執行人は専門の刀具を使い、受刑者を支柱に縛り付けたうえで以下の順序で肉を削ぎ落としていきました。
- 第1段階:顔面・胸部の削ぎ落とし
執行の開始を告げるため、まず眉間や乳房、胸元の皮膚と肉を薄く削ぎ落とします。顔面に垂れる血で受刑者の視界を奪い、恐怖を極限まで煽る意図もありました。 - 第2段階:四肢の筋肉の細分切除
上腕部、前腕部、太腿、ふくらはぎの肉を順番に一片ずつ切り落としていきます。この際、太い動脈を傷つけて大量出血によるショック死を招かないよう、刃の入れ方には高度な技術が求められました。 - 第3段階:関節の切断と臓器の露出
肘や膝の関節を切り離し、胸腹部を切り開いて内臓を露出させます。受刑者が意識を保っている状態で自らの身体が解体される光景を見せつけることが、精神的破壊の一環とされていました。 - 第4段階:心臓への致命傷と首の切断
定められた規定の回数を削ぎ終えた最後の瞬間に、胸郭へ刃を突き刺して心臓を刺突、あるいは首を切り落として絶命させます。遺体はさらに細かく切断され、野ざらしにされました。
もし規定の回数を削ぎ終える前に受刑者をショック死や失血死させてしまった場合、死刑執行人自身が厳しい処罰を受ける法規定が存在しました。そのため、処刑人は肉を削ぐ合間に気付け薬を与えたり、場合によっては苦痛を麻痺させつつ延命を図るためにアヘンを含ませた水を飲ませるなどして、意識を人為的につなぎ止める処置が施されたと伝えられています。