バズ・ライトイヤー声優交代の真相と『トイ・ストーリー5』の行方

今注目を集めている バズ・ライトイヤー声優交代の真相と『トイ・ストーリー5』の行方について、多角的な視点を分かりやすく掲載しています。

映画『バズ・ライトイヤー』の公開時に最もファンを驚かせたのは、日本語吹き替え版キャストが所ジョージから俳優の鈴木亮平へ変更されたことでした。1995年の第1作『トイ・ストーリー』以来、所ジョージが吹き込んできた飄々としつつもどこか憎めないバズの声は、日本のファンにとって代えがたいアイデンティティとなっていたためです。

ディズニーおよびピクサーが明かしたキャスティングの真相は、「キャラクターそのものが異なる」という明確なコンセプトにあります。映画『トイ・ストーリー』に登場するバズは、少年アンディが夢中になった大ヒットSF映画のグッズ、すなわち「プラスチック製のおもちゃ」です。一方、2022年公開の単独映画『バズ・ライトイヤー』は、「アンディが劇場で観て夢中になった、そのSF映画そのもの」というメタ構造を採用していました。

本国アメリカでも同様の措置が取られました。おもちゃのバズを25年以上演じてきたコメディアンのティム・アレンから、ハリウッド屈指のアクションスターであり『キャプテン・アメリカ』などで知られるクリス・エヴァンスへとバトンタッチされたのです。制作陣は「真面目で任務に命を懸ける、等身大の実直なスペース・レンジャー(生身の人間)」を描くにあたり、重厚感と誠実な演技力を兼ね備えたクリス・エヴァンスを指名。これに呼応する形で、日本版でも卓越した演技力と低音の響きを持つ鈴木亮平がオーディションを経て抜擢されました。

しかし、劇場公開当時のプロモーションにおいて「アンディが観た映画」という複雑な二重構造が一般層に十分浸透しきらなかったことも事実です。宣伝資料や特報映像だけを見た観客の間では「なぜ慣れ親しんだ所ジョージのバズではないのか」という戸惑いが先行し、SNS上では激しい議論が巻き起こりました。鈴木亮平の熱演自体は映画公開後に高く評価されたものの、長年培われたファンの情緒的絆とのギャップを埋めるには時間を要しました。

阿部 裕樹

阿部 裕樹

エンタメ専門ジャーナリスト

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。

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