山本五十六の最後と死因の真相|暗号解読と撃墜事件の全貌を追う
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歴史的な著名事件であるだけに、インターネット上や通説のなかには事実とは異なる誤解や誇張が散見される。それらを一次史料に照らし合わせて整理・是正する。
誤解1:機内で軍刀を抜刀し、座席に端座したまま絶命していた?
これは軍部が戦意高揚のために流布したプロパガンダの色彩が極めて濃い。墜落現場の熱帯雨林において、時速数百キロで木々に衝突・爆発した機体の中で、正装のまま姿勢を保ち続けることは物理的に不可能である。前述の通り、発見後に現場部隊が敬意を表して姿勢を整えたものが、大本営発表の過程で「最期まで武人の鑑として端座していた」という粉飾された物語へと昇華されたのが真実である。
誤解2:暗号解読ではなく、現地のスパイや裏切りによって視察が漏れた?
一部で囁かれる陰謀論に「現地の現地民や日本軍関係者の内通」を疑う説があるが、戦後に開示された米軍の最高機密文書(ウルトラ情報関連記録)によって、完全に否定されている。米軍の要撃は100パーセント、通信情報部による日本海軍暗号(JN-25D)の数学的解読によるものであった。日本軍側が「自軍の暗号は難解であり解読できるはずがない」と思い込んでいたこと自体が、最大の敗因であった。
誤解3:山本長官は死を覚悟して自ら罠に飛び込んだ?
山本が自暴自棄になって意図的に撃墜されに行ったという「自殺的視察説」も事実無根である。山本は前線の将兵を激励することで、消耗しきった士気を回復させ、次なる作戦展開への足がかりを築く強い意志を持っていた。直前の書簡でも戦局挽回への苦慮を吐露しており、最高指揮官としての責任感から出向いた行動が、結果として米軍の罠に落ちる形となった。