猫の歯磨きをしてないのは危険?3歳で8割が歯周病になる真相と対策

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「猫の歯磨きをしてないけれど、今元気に過ごしているから大丈夫だろうか」という疑問に対する臨床獣医学の答えは、極めてシビアなものです。大手ペット保険会社の調査や日本獣医師会関連の発表資料によると、3歳以上の成猫の約80%(報告によっては50〜90%)がすでに歯周病もしくはその予備軍であると報告されています。

野生時代のネコ科動物は獲物の肉を引きちぎり、骨を噛み砕く過程である程度の摩擦洗浄が行われていました。しかし、現代の完全室内飼育におけるキャットフード(ウェットタイプはもちろん、一般的なドライフードであっても)は咀嚼時に歯の表面を十分に清掃できず、唾液中の成分と混ざり合ってプラーク(歯垢)が形成されやすい環境にあります。

人間の場合、歯垢が唾液中のカルシウムやリンを吸収して歯石に変化するまで約20日〜1か月ほどかかります。これに対し、猫の歯垢が歯石化するスピードはわずか3日〜5日程度と非常に急速です。アルカリ性の強い口腔内環境を持つ猫は虫歯菌が繁殖しにくい反面、石灰化を促す細菌が増殖しやすく、歯垢を短期間で強固な歯石へと変えてしまいます。

歯石そのものは死んだ細菌とミネラルの塊ですが、その表面は軽石のようにザラついており、新たな細菌が付着する温床となります。ここで増殖した嫌気性菌が毒素を出し、歯肉に炎症を引き起こすことこそが、多くの飼い主が気付き始める「猫 口臭 原因」の正体です。「最近なんだか口が魚臭い」「生臭いニオイがする」と感じた時点で、すでに歯周ポケットの奥深くまで病変が侵入しているケースが少なくありません。

さらに見逃せないのが、猫の歯周病が寿命へ与える深刻な影響です。歯肉の毛細血管から侵入した歯周病菌やその毒素(内毒素・LPS)は、血流に乗って全身を巡ります。その結果、慢性腎臓病の悪化や心筋症、肝機能障害といった命に直結する持病のリスクを跳ね上げます。「ただの口の汚れ」と侮ることは、愛猫の健康寿命を著しく削る行為に直結しているのです。

橋本 菜々子

橋本 菜々子

トレンドリサーチャー

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

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