犬が耳を痒がる原因と病気サイン|黒い耳垢や臭いを放置する危険性
今注目を集めている 犬が耳を痒がる原因と病気サイン|黒い耳垢や臭いを放置する危険性について、多角的な視点をご紹介しています。
愛犬が耳を気にしている姿を見て、「綺麗にしてあげよう」と親切心から行ったケアが、実は病状を決定的に悪化させているケースが後を絶ちません。ネット上のQ&AコミュニティやSNS上でも、「綿棒で掃除したら耳垢が奥に詰まってしまった」「市販の薬を塗ったら耳が腫れ上がった」という悲痛な投稿が散見されます。
自宅ケアで綿棒を使ってはいけない理由
耳のケアにおける最大の禁忌が、人間用の綿棒を耳道内へ差し込む行為です。自宅ケアで綿棒を使ってはいけない理由は明確に2点あります。
第1に、L字型に曲がった犬の耳道構造において、直線的な綿棒を差し込むと、手前にある耳垢をピストンのように最深部(水平耳道から鼓膜の手前)へと押し固めてしまうからです。固まった耳垢は「耳垢栓塞(じこうせんそく)」を引き起こし、通気性を完全に奪って細菌の温床となります。
第2に、犬の耳道粘膜は人間の皮膚よりもはるかに薄く、角質層はわずか数層しかありません。綿棒の硬い軸で擦る摩擦刺激だけで容易に上皮が剥離し、微細な潰瘍を形成してしまいます。耳垢を取り除いているつもりが、自らの手で感染ルートを広げている事実に気づいていない飼い主は少なくありません。
獣医師が推奨する犬の耳掃除の正しいやり方
家庭で行うべき犬の耳掃除の正しいやり方は、物理的に「擦り取る」のではなく、液体で「浮き上がらせて排出させる」アプローチが基本です。
1. 動物病院で処方または推奨された刺激の少ない犬用イヤークリーナーを、耳道内に惜しみなく数滴〜十数滴注ぎます。
2. 耳の根元(軟骨の硬い部分)を外側から親指と人差し指で挟み、「クチュクチュ」と音が鳴るように10秒〜20秒ほど優しく揉み洗いします。
3. 手を離すと、犬は自然に頭を激しくパタパタと振ります。この遠心力によって、奥にこびりついていた耳垢が浮き上がり、外耳口付近まで飛び出してきます。
4. 外耳口や耳介のひだに浮き出てきた余分な洗浄液と汚れだけを、清潔なコットンやガーゼで優しく拭き取ります。耳道内に指や器具を無理に突っ込む必要は一切ありません。