1989年ヒット曲の真相|バブルと平成元年の名曲が今響く理由
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1989年の幕開けは、日本中が息を潜める重苦しい空気から始まりました。1月7日の昭和天皇崩御に伴い、わずか7日間で終わった昭和64年。テレビ各局は特別報道番組一色となり、CMの放送中止や華やかな歌舞音曲の自粛が相次ぎました。しかし、1月8日に「平成」へ改元されると、堰を切ったように新しい時代へのエネルギーが噴出します。春の消費税(3%)導入という社会的な変革を挟みつつも、世はまさに未曾有の好景気でした。土地や株価の高騰に沸く「バブル景気」の熱気は、エンターテインメント産業に莫大な制作費と果敢なチャレンジ精神をもたらしました。
音楽流通の現場でも歴史的な転換点が訪れていました。日本レコード協会の統計資料を振り返ると、前年の1988年に登場した「8cmシングルCD」の生産枚数が、1989年には完全に従来の7インチアナログレコードを逆転しました。小型で扱いやすく、車載CDプレイヤーやポータブル機器で手軽に高音質を楽しめる新メディアの普及は、若者の音楽消費スピードを一気に加速させたのです。昭和の職人肌によるスタジオ制作から、アーティスト自身がメッセージを発信するスタイルへの移行が決定づけられた年でもありました。