アメリカンコーヒーとは?薄いお湯割りという誤解の真相と豆の正体
アメリカンコーヒーとは?薄いお湯割りという誤解の真相と豆の正体について専門的な視点から解説いたします。最新の情報をご覧ください。
カフェチェーンの台頭以降、店頭で最も多くの混乱を生んでいるのが「アメリカンコーヒー」と「カフェ・アメリカーノ(アメリカーノ)」の混同です。名称の響きこそ酷似しているものの、両者の出自や抽出プロセス、液体としての物理特性はまったく相容れない関係にあります。
根本的な相違点は、アメリカンが「浅煎り豆の透過式・浸漬式ドリップ」であるのに対し、アメリカーノは「エスプレッソのお湯割りとの比較」において語られるイタリア系エスプレッソの派生形である点です。アメリカーノは、9気圧の超高圧で急激に抽出した濃厚なエスプレッソ液(約30〜60ml)に対して、後から85〜90℃前後の熱湯を120〜180mlほど注ぎ入れて薄める製法を正式な手順としています。
この対比を見れば明らかなように、アメリカンコーヒーとアメリカーノの違いは単なる名称のゆらぎではなく、設計思想そのものが別ジャンルに属しています。イタリア人が濃厚すぎるエスプレッソを嫌った米兵のために湯で割った歴史を持つアメリカーノと、日本の職人が米国式ドリップの軽快さを浅煎り豆で再現しようとしたアメリカンコーヒー。この2つを混同して注文すると、味覚体験として大きな齟齬をきたすことになります。