なぜ寄り目で静止?歌舞伎の見得を切る意味と掛け声の極意を徹底解明
なぜ寄り目で静止?歌舞伎の見得を切る意味と掛け声の極意を徹底解明についての最新情報をご紹介します。
Q1:見得を切る瞬間に、初心者が客席から掛け声をかけても大丈夫ですか?
A1:初心者のうちは、自分から声を掛けるのは絶対に避けるのが鉄則です。掛け声(大向こう)には、役者の息遣いやツケ打ちとの厳密な呼吸が存在し、タイミングを誤ると舞台の緊迫感を台無しにしてしまいます。まずは熟練の常連客が発する絶妙な掛け声に耳を傾け、見得が決まった直後に惜しみない拍手を送ることから始めましょう。
Q2:見得の寄り目は、本当に左右の黒目を寄せているのですか?視力への悪影響はありませんか?
A2:はい、実際に役者は眼筋を使って意図的に焦点をずらしています。基本的には「片方の黒目を鼻梁に寄せ、もう片方は客席奥をまっすぐ射抜く」という高度な眼球操作を行っています。幼少期からの厳しい基礎稽古によって特定の眼筋を自在にコントロールできるよう訓練されており、一時的なポーズであるため視力そのものへの悪影響はありません。
Q3:女性の役を演じる「女方(おんながた)」も見得を切ることはありますか?
A3:原則として、荒々しく派手に見得を切るのは立役(男役)の特権ですが、女方にも感情の高まりを様式的に静止して見せるポーズが存在します。ただし、荒事のように首を振って寄り目にするのではなく、首を傾げて優雅に流し目を送るなど、女性らしい柔らかさを保った静止技法を用います。また、例外的に『壇浦兜軍記』の阿古屋のように、強い意志を持ったヒロインが凛として決める所作も見所のひとつです。