桂枝加竜骨牡蛎湯の効果と柴胡加との違い|自律神経・不眠の真実
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この漢方薬の起源は古く、およそ3世紀の中国・後漢時代に張仲景が著した医学古典『金匱要略(きんきようりゃく)』にまで遡ります。同書には極めて印象的な記述が残されています。
「夫れ失精家(しっせいか)は、少腹弦急し、陰頭寒く、目眩し、髪落つ……男子は失精し、女子は夢交す。桂枝加竜骨牡蛎湯之を主る」
古典が説く「失精家」とは、現代でいう過労や極度の神経衰弱によってエネルギーの源である精気を失い、無意識のうちに射精してしまう夢精や遺精、早漏、勃起力低下などの男性機能の衰えに苦しむ人を指します。さらに下腹部が引きつるように緊張し、性器の冷え、立ちくらみ、脱毛などが重なる状態を的確に描写しています。
心と生殖機能は自律神経を介して直結しています。精神的プレッシャーや過労が続くと、交感神経が異常興奮し、性的なコントロールが効かなくなる現象が起こります。桂枝加竜骨牡蛎湯は、滋養しながら神経の興奮を落ち着かせることで、メンタル不調から波及した夜尿症や男性機能の悩みに対しても、伝統的に第一選択として処方されてきた歴史的背景を持っています。