世界三大時計にロレックスが入らない理由とは?雲上の序列と資産価値
世界三大時計にロレックスが入らない理由とは?雲上の序列と資産価値についての真相を徹底解説します。
時計ファンのみならず一般のビジネスパーソンからも頻繁に投げかけられるのが、世界三大時計にロレックスが入らない理由です。ロレックスは世界最高峰の実用時計ブランドであり、知名度、売上高、換金性のすべてにおいて群を抜いています。モルガン・スタンレーとLuxeConsultが発表したスイス時計業界の調査データによると、ロレックスの年間売上高は業界全体の3割前後に達し、年間生産本数は推定120万本規模と圧倒的なシェアを誇ります。
それにもかかわらず、ロレックスが「三大時計」の座に数えられない最大の理由は、ブランドが志向する「哲学の根本的な違い」にあります。
ロレックスが目指してきたのは、「いかなる過酷な環境でも正確に時を刻み続ける最高峰の実用時計(ツールウォッチ)」です。オイスターケースによる完全防水、パーペチュアル機構による高効率な自動巻き、日付が瞬時に切り替わるデイトジャストなど、ロレックスの革新はすべて実用性と耐久性の向上に向けられてきました。高度にオートメーション化された最新鋭の製造ラインによって、ミリ単位以下の公差を追求した高品質な製品を均質に大量生産することこそがロレックスの真骨頂です。
一方、パテック フィリップ、オーデマ ピゲ、ヴァシュロン・コンスタンタンが属する領域は、フランス語で「オート・オルロジュリー(Haute Horlogerie=高級時計芸術工芸)」と呼ばれます。目指しているのは工業製品ではなく、工芸品・美術品としての頂点です。
三大時計のムーブメントは、文字盤から見えない歯車の裏側や受けの角にいたるまで、熟練の時計師が手作業で「アングラージュ(面取り)」や「コート・ド・ジュネーブ」といった磨きを施します。パーツひとつを仕上げるために数週間を費やすことも珍しくありません。この途方もない手仕事ゆえに、年間生産本数はパテック フィリップで約7万本、オーデマ ピゲで約5万本、ヴァシュロン・コンスタンタンに至っては約3万本前後に限定されます。
「世界最高峰の実用工業品」であるロレックスと、「代々受け継ぐべき手仕事の美術工芸品」である三大時計。どちらが優れているかという優劣ではなく、登っている山の頂が根本から異なっていることが、ロレックスが三大時計に数えられない決定的な真相です。