相撲界を揺るがした賭博問題の真相と琴光喜の現在|闇の構造を暴く
相撲界を揺るがした賭博問題の真相と琴光喜の現在|闇の構造を暴くの注目ポイントを詳しく解説してご紹介します。
一般の読者やネットコミュニティの間で頻繁に混同されるのが、「2010年の野球賭博問題」と「2011年の八百長問題」の混同です。両者は時期が連続しているためひとつの事件のように語られがちですが、本質的な法的位置づけと組織への打撃内容は明確に異なります。
野球賭博問題は、プロ野球という「角界の外部にあるスポーツ」を対象にした刑法第185条・186条(賭博罪・常習賭博罪)に抵触する違法行為でした。反社会的勢力への資金供与とコンプライアンス違反が焦点であり、土俵の上の取組そのものの真剣勝負が否定されたわけではありませんでした。
ところが、この野球賭博捜査の過程で警視庁が押収した力士・関係者の携帯電話のデジタルフォレンジック(データ復元解析)によって、事態は破滅的な局面を迎えます。消去されていた電子メールの中から、本場所の取組における星の売買(勝敗の事前打ち合わせと現金のやり取り)を示すメッセージが多数発見されたのです。
これが翌2011年2月に爆発した「大相撲八百長問題」です。八百長問題は刑法上の詐欺罪等の立件こそ見送られたものの、「神事であり真剣勝負である」という相撲の根幹・競技性そのものを根底から破壊しました。結果として2011年春場所は日本相撲協会の歴史上初となる「本場所開催中止」という壊滅的な制裁へと至りました。つまり、野球賭博捜査というメスが入らなければ、水面下で数十年にわたり常態化していた八百長の証拠が司法機関に押収されることはなかったという皮肉な因果関係が存在します。