アブとはどんな虫?蜂やブヨとの違いと刺された時の激痛・最新対処法
アブとはどんな虫?蜂やブヨとの違いと刺された時の激痛・最新対処法について押さえておきたい 注意点を分かりやすく解説いたします。
「アブに刺された」と表現されますが、医学・生物学的な正確を期すならば「噛み切られた」が正解です。
アブの口器には、大顎(おおあご)と小顎(こあご)と呼ばれるノコギリやメスのような鋭利な器官が備わっています。メスのアブはこれらを高速で交差させ、人間の表皮から真皮浅層にかけてを物理的に切り裂きます。血管が破断してにじみ出た血液のプール(出血斑)に、唾液を分泌しながら吻(ふん)を差し込んで舐め取るように吸血するのです。
このプロセスにおいて、人体には二重のダメージが生じます。
第一に、物理的な裂傷による鋭い即時痛です。針を滑らかに刺入する蚊とは異なり、肉を切り裂くため、噛まれた瞬間に思わず飛び上がるほどの激痛が走ります。
第二に、アブが吸血を容易にするために流し込む唾液腺物質に対するアレルギー反応です。アブの唾液には、血液の凝固を防ぐ抗凝固成分や血管拡張ペプチドが含まれています。これが人間の免疫細胞を刺激し、ヒスタミンなどの炎症性メディエーターが大量に放出されます。その結果、咬傷後数時間から翌日にかけて激しい腫脹(はれ)、灼熱感、そして眠りを妨げるほどの強い痒みが生じることになります。