カタツムリとナメクジの違いを徹底解剖!殻を取るとどうなるかの真相
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カタツムリとナメクジは、いずれも軟体動物門腹足綱(ふくそくこう)に属しています。腹足類としての共通点として、筋肉質の足(腹足)を波打たせて前進し、ヤスリのような歯舌(しぜつ)で植物や菌類を削り取って食べるという基本機能は共有しています。しかし、生物学的な分類と進化の経緯を辿ると、両者は一本の直線でつながっているわけではありません。
系統樹の上では、海にいた巻貝の祖先が陸上に進出し、まず陸生のカタツムリ(マイマイ類など)へと進化しました。その中から、時代や環境の変化に応じて「殻を捨てる道」を選んだグループが複数現れ、現在のナメクジの姿へと適応放散したことが判明しています。つまり、ナメクジはカタツムリの未熟な姿ではなく、より後発に現れた「先鋭化した進化形」とも言えます。
では、なぜナメクジの殻が退化した理由はどこにあるのでしょうか。進化生物学の視点から見ると、殻を持つことには重いデメリットも存在しました。
第一に、殻を作るためには大量のカルシウムを常に摂取し続けなければなりません。石灰質の土壌やコンクリートなどがない環境では殻の維持が大きな負担になります。第二に、重い殻は移動速度を低下させ、狭い場所へ逃げ込む際の障害になります。ナメクジは殻を退化させて柔軟な細長い体幹を獲得することで、石の裏やわずかな地面の亀裂、民家の基礎の隙間といった外敵の届かない冷暗所へ自在に潜り込める適応力を手に入れたのです。なお、ナメクジを詳細に観察すると、背中の一部(外套膜)が少し盛り上がっており、体内を解剖すると退化した小さな石灰質の殻の痕跡が今も埋没しています。