滋賀・近江上布伝統産業会館の全貌!機織り体験の評判と職人技の真価
滋賀・近江上布伝統産業会館の全貌!機織り体験の評判と職人技の真価にまつわる興味深い視点を分かりやすく発信ます。
近江における麻織物の起源は鎌倉時代にまで遡り、室町期には京都へ出荷される特産品としての地位を確立していました。江戸時代に入ると彦根藩の保護を受け、とりわけ精緻な絣(かすり)模様を施した麻織物は、幕府への献上品や武家・貴族の夏の高級単衣(ひとえ)として珍重されました。昭和52年(1977年)には、その高度な技法と歴史的価値が認められ、経済産業大臣より国指定伝統的工芸品の指定を受けています。
「近江上布」が他の麻織物と決定的に異なるのは、その涼やかさと風合いを極限まで高める独自の近江上布歴史と特徴にあります。最大の特徴は、糸の段階で模様を染め分ける「絣」の技術です。竹串の並んだ道具で糸に染料を擦り込む「櫛押捺染(くしおしなっせん)」や、型紙を用いて防染する「型紙捺染」など、全国でも極めて珍しい染色技法が用いられます。この絣糸を経糸(たていと)と緯糸(よこいと)に配し、ミリ単位のズレも許さずに織り上げることで、水墨画のように幽玄で柔らかな文様が浮かび上がるのです。
さらに、仕上げ工程で行われる「揉み込み」によって生まれるシボ(布面の微細な凹凸)は、肌と生地の間に空気の層を作り、汗をかいても肌に張り付かない極上の清涼感を生み出します。高温多湿な日本の夏を快適に過ごすための知恵と、過酷な湿地環境を逆手に取った麻加工の知性が融合した結晶、それが近江上布なのです。