浄土真宗でやってはいけない事とは?線香やご冥福Ngの理由を徹底解明

浄土真宗でやってはいけない事とは?線香やご冥福Ngの理由を徹底解明について重要なポイントを解説いたします。専門家の見解をご覧ください。

浄土真宗の祭壇や仏壇を訪れた際、誰もが驚くのが他宗派との作法の劇的な違いです。ネット上でも「なぜ線香を立ててはいけないのか」「なぜ塩を配らないのか」といった疑問が頻繁に交わされていますが、これらにはすべて教理に裏打ちされた合理的な理由が存在します。

線香を折って横に寝かせる理由

他宗派では線香を1本から3本立てるのが通例ですが、浄土真宗(本願寺派・大谷派ともに)では「線香を適度な長さに折り、香炉の中に横に寝かせて火をつける」作法を徹底します。かつて中国や古代日本で使用されていた「常香盤(じょうこうばん)」と呼ばれる、香を長時間くゆらせるための平たい器具の伝統を受け継いでいることに加え、立ち上る煙で仏を供養する「香煙供養」の概念を取らないためです。香りは場を清め、阿弥陀仏への感謝を表すための荘厳(しょうごん)であり、線香を立てて自己の修行や供養の証とする必要がないという思想が反映されています。

清め塩を使わない理由

葬儀の返礼品に同封されることの多い「清めの塩」も、浄土真宗では一切使用しません。死を「穢れ(けがれ)」と捉えて塩で祓う慣習は神道由来の習俗であり、仏教本来の思想ではありません。とりわけ浄土真宗では、命の終わりは穢れではなく「阿弥陀仏の浄土へ生まれ変わる尊い契機」と捉えます。死を忌み嫌い、塩で清めようとする行為は、命の尊厳を傷つけ、死者を穢れた存在として排除する差別に通じるとして、宗派を挙げて明確に禁止しています。

位牌を作らず、卒塔婆も立てない真相

浄土真宗の家庭には、原則として漆塗りの黒い位牌(本位牌)が存在しません。位牌は儒教の祖霊崇拝が仏教化したものであり、「故人の魂が依り代(よりしろ)として木片に宿る」という前提に立ちます。しかし、すでに極楽浄土で仏となっている故人の魂が特定の木札に留まることはあり得ないため、浄土真宗では位牌の代わりに「過去帳」または掛け軸状の「法名軸(ほうみょうじく)」に法名を記して安置します。

同様に、墓地の背後に立てる板状の「卒塔婆(そとば)」も一切建立しません。卒塔婆はサンスクリット語の「ストゥーパ(仏塔)」を起源とし、生者が塔を建てることで善行を積み、その功徳を故人に回向(えこう)するための道具です。自力での修行や善行による救済を否定し、すべてを阿弥陀仏の力に委ねる他力本願の教えにおいて、追善供養の象徴である卒塔婆は不要不可欠なものとして排除されています。

般若心経を唱えない神学的な理由

日本の葬儀や法事で最も広く読まれる『般若心経』を、浄土真宗の僧侶が唱えることは決してありません。般若心経は「色即是空 空即是色」に代表されるように、自らの厳しい修行と洞察によって執着を断ち切り、悟り(空の理)を目指す「自力聖道門」の経典です。親鸞は、煩悩にまみれた凡夫が自力で悟りを開くことは不可能であると見定めたため、修行を前提とする般若心経ではなく、阿弥陀仏の誓願が説かれた『浄土三部経(大無量寿経・観無量寿経・阿弥陀経)』や親鸞自身の著作である『正信偈(しょうしんげ)』のみを経典として用います。

木村 陽翔

木村 陽翔

テックライター兼ウェブディレクター

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。

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