アサギマダラが好む花と誘致の極意|フジバカマに執着する理由を徹底解剖
アサギマダラが好む花と誘致の極意|フジバカマに執着する理由を徹底解剖を徹底追究! 知っておきたい 重要ポイントを凝縮して配信します。
庭にフジバカマを植えたにもかかわらず、「一頭もアサギマダラが寄り付かない」という落胆の声が園芸掲示板やSNS上で散見されます。この失敗の背景には、市販の植物名にまつわる根深い混乱が存在します。
現在、一般的なホームセンターや園芸店で「フジバカマ」のラベルを付けて安価に販売されているものの多くは、北米原産の「青花フジバカマ(ユーパトリウム / コノクリニウム・コエレスティヌム)」や「マルバフジバカマ」です。これらはアサギマダラが欲する濃度のピロリジジンアルカロイドを十分に含有していないケースが多く、蝶に対する誘引力は在来種に遠く及びません。確実に呼び寄せるためには、古来の自生種(Eupatorium japonicum)や、伝統的に保存されてきた原種系統のフジバカマを選ぶ必要があります。
また、もうひとつの致命的な混同が「成虫が吸蜜する花」と「アサギマダラ幼虫の食草」の区別がついていない点です。アサギマダラの幼虫はフジバカマの葉は一切食べません。幼虫の宿主植物は、キョウチクトウ科(旧ガガイモ科)の蔓性植物であるキジョラン(鬼女欄)、イケマ、オオカモメヅルなどに限られます。庭で卵を産ませて繁殖させたいのであればキジョランが必要ですが、旅の途中に成虫を立ち寄らせて観察したいだけであれば、成虫用の吸蜜植物であるフジバカマに集中するのが定石です。